肺 癌 


宮本英篤

(「広報くき」平成10年12月号 寄稿)
 

 「21世紀は肺がんの時代!」これは過言ではありません。厚生省人口動態統計によると確実視されています。昨年約27万5千人の人ががんで死亡しています。その内、胃がんが18.1%、肺がんが17.8%を占めており、以下大腸がん、肝臓がんの順になっています。早期発見・早期治療の効果で、胃がんは右肩下がりに毎年死亡者数が減少しています。それに比べて、肺がん死亡者数は早期発見の遅れや、生存率の低下などで「ガン・ガン」右肩上がりに増加して、今年とうとう胃がんとクロスしてしまいました。今後、首位が続くと予測されています。 

  喫煙者が肺がんで死亡する率は、非喫煙者の4.5倍だそうで、喫煙は心臓や血圧にも悪影響、一種の自殺行為です。「それでも・・・」という人はご自由に。ところで、たばこが値上げされるという報道がありました。旧国鉄債務の返済のためとか・・・。なぜ喫煙者に負担させるのか、禁煙者続出・自殺的行為阻止対策の一環? 喫煙は最悪の局所的大気汚染ですが、車の排気ガスなど大気の複合汚染物質もまた発がん物質で、かなりの量を私たちは毎日吸っているのです。

 肺がんの初期症状はせき・たんですが、反復または数週間におよぶ場合には、近医受診が早期発見の第一歩といえましょう。徐々に血たんや胸痛を伴ってきます。胸膜炎(肺を包んでいる膜まで、がんが広がり水がたまる)や無気肺(肺の一部がつぶれて縮小する)を併発すると、呼吸困難を認めるようになります。
lunge-broncho.jpg (20016 バイト) 検査としては、胸部エックス線検査やたんの検査(細胞診)が行われています。さらに有力な武器、気管支ファイバースコープ(内視鏡)により、病巣の一部をとる組織診が行われ、これにより肺がんの型がが分かります。がんの進展様式はこの型に特徴があります。隣接臓器への広がりや、遠隔転移の有無も検査して病期が決められます。型と病期により、治療方針(手術や抗がん剤の適応など)や予後の推定が検討されます。